実績を選んだ基準は、数字と自分の役割

成果の大きさと、面接で説明できる範囲の両方を見ました。

RESULT数字で示せる

金額、工数、不良率など、何がどれだけ変わったか

ROLE役割を説明できる

自分が判断し、実行した範囲を話せるか

TEAM周囲を巻き込んだ

他部門とどんな論点を調整したか

RECENT直近の成果である

現在の強みと応募先の仕事に近いか

職務経歴書には、年間約1.2億円と約1億円のコスト削減、立ち上げ工数90%削減、不良率100ppmから0ppmといった実績を載せました。ただし、数字が大きければ何でも残したわけではありません。

チーム全体で成果が出ていても、自分の役割が限定的なら、質問が深くなるほど答えにくくなります。自分が課題を見つけ、関係者へ説明し、改善まで進めた経験を優先しました。

「目的・役割・実績」の形は、転職エージェントから教わった

私が受け取った複数のテンプレートで、共通していた構成です。

  1. 01目的

    何が問題で、なぜ取り組んだのか

  2. 02役割

    プロジェクト全体ではなく、自分が担当した範囲

  3. 03実績

    最終的に何が、どれだけ変わったのか

私は複数の転職エージェントから職務経歴書のテンプレートをもらいました。様式は違っても、私が受け取ったものは改善プロジェクトを「目的・役割・実績」で整理する形が共通していました。

厚生労働省の資料でも、実績を振り返る際は、どのような経過で、どのような成果を上げたかを整理するよう案内されています。最初から読みやすい文章にせず、まず三つの枠へ事実を入れました。

面接で一番聞かれた、年間約1.2億円の改善

成果額だけでなく、そこへ至るまでに自分が何を考え、どう動いたかを聞かれました。

面接で聞かれたこと説明したこと
どんな役割か要件定義、データ処理、可視化、分析、最適化まで担当
なぜ始めたか現場の暗黙知に依存した管理を仕組み化するため
何を工夫したか現場知識から、つなぐデータと比較方法を決めた
何が難しかったかIT、品質、上位者で異なる論点を整理して協力を得た

当時もっとも新しかったのは、製造現場で加工材料の使用量を監視し、最適化するプロジェクトです。私はプロジェクトリーダーとして、必要なデータと計算方法の定義、Pythonによるデータ処理の自動化、BIダッシュボード、分析、最適化の指示まで担当しました。

結果として目標を上回り、年間約1.2億円のコスト削減につながりました。成果額は話の入口でしたが、質問の中心は自分の役割、取り組んだ理由、工夫、難しかった点でした。

半導体の仕事に近い実績から残した

経験していない半導体用語を足さず、求人票に書かれた仕事との接点を探しました。

厚生労働省のjob tagでは、半導体プロセスエンジニアの仕事として、工程の設計・構築、品質向上、歩留まり改善、コスト低減、関係部署との打ち合わせなどが示されています。JASMとルネサスの公式求人にも、データ分析、実験、歩留まり、コスト、工程時間、不良率、部門連携に関わる仕事があります。

私が経験してきた歩留まり改善、コスト削減、データ分析、実験計画、部門横断のプロジェクトには接点がありました。ただし、半導体固有の工程経験が必要な求人もあります。自分の経験を無理に半導体経験へ見せるのではなく、実際に重なる仕事を選びました。

キャリア初期の実績は、今なら短くする

経験が増えたら、最近の仕事に使うスペースを増やします。

正直なところ、当時は分かりやすい成果が少なく、職務経歴書にボリュームを出すために書いていた面もあります。

数字のないキャリア初期の実績について

数字を出せていない改善も職務経歴書に載せていました。それでも、実際に経験したこと、自分で説明できることだけを記載しました。

今の経験量で書き直すなら、キャリア初期は削るか、かなり短くします。私が受けた面接では、昔の仕事より直近の成果について聞かれる比重が圧倒的に大きかったためです。これは私の面接経験であり、すべての企業に共通する基準ではありません。

職務経歴書は、面接を受けながら直した

答えに詰まった箇所を、次の面接へ向けた編集材料にしました。

  1. 01質問を受ける

    職務経歴書をもとに、役割や工夫を深掘りされる

  2. 02明確にする

    次は自分の言葉で答えられるよう、役割や経緯を直す

  3. 03必要なら削る

    詳しく説明するほど重要でなければ、職務経歴書から外す

具体的に何を削ったかは、正直あまり覚えていません。ただ、成果として大きくないもの、自分一人で完結して周囲を巻き込んでいないもの、自分の役割が限定的で深く質問されると答えられなくなるものは、少しずつ減らしました。

一人で行った改善に価値がないという意味ではありません。限られた紙面の中で、より自分の強みが伝わり、面接でも詳しく話せる経験を残しました。

今ゼロから作るなら、生成AIに一問ずつ聞いてもらう

経験と成果の事実は自分で出し、文章を読みやすくする部分を手伝ってもらいます。

WRITE思いつくまま書く

最初から整った文章にせず、経験の事実を出す

EDIT短く整えてもらう

シンプルで、採用側が理解しやすい表現にする

CHECK自分で読み直す

面接で自分の言葉として説明できる内容だけを残す

最初に職務経歴書を作った当時は、今のような生成AIがありませんでした。後の転職活動では、自分で書いた文章をChatGPTに渡し、短く、シンプルに、採用側が理解しやすい文章へ整えてもらいました。

AIが整えた文章は必ず自分で読み、事実と違わないか、自分の言葉で説明できるかを確認しました。今ゼロから作るなら、目的、役割、行動、工夫、関係者、成果を一問ずつ質問してもらいます。

まず一つの改善実績を書いてみる

テンプレートを用意し、もっとも新しい改善実績を一件だけ選びます。

書き出すこと自分への質問
目的何が問題で、なぜ取り組んだか
役割自分は何を判断し、実行したか
工夫どのデータや現場情報を使い、誰を巻き込んだか
実績何が、どれだけ変わったか

最初から職務経歴書を完成させる必要はありません。私は転職エージェントのテンプレートから始め、ChatGPTで文章を整え、面接を受けながら修正しました。

大きな成果を書くことより、事実を自分の言葉で説明できることが先です。そのうえで確認できる数字を添えると、改善の大きさも伝わりやすくなります。