工程知識とDXを、別々の経験として見せない

求人要件と重なったのは、DX、製造プロセス、英語の三つでした。

求人で求められた領域私の経験との接点
DXPython、データ分析、AI・機械学習、BI、ETL
製造プロセス品質管理、歩留まり改善、統計、プロセス開発
グローバル海外工場で英語を使った実務経験

重要だったのは、Pythonを使えることだけではありません。現場の課題を自分で見つけ、プロセス知識で必要なデータを選び、関係部署を巻き込み、改善が進む仕組みまで作ったことです。

厚生労働省のjob tagでは、半導体プロセスエンジニアの仕事として、工程の設計・構築、品質向上、歩留まり改善、設備の選択、効率的な量産などが挙げられています。公開求人にも、生産技術経験を応募要件に含め、歩留まり、コスト、CT、工程移管の改善を担当する例があります。

電子部品の生産技術と、半導体には接点があった

製品や工程が同じでなくても、問題を分解して改善する流れには共通点がありました。

FIND共通点を見つける

品番別の歩留まりから、低歩留まり品番に共通する設計を特定

TEST仮説を検証する

ドメイン知識で仮説を作り、実験計画法で効率的に確認

CHANGE工程へ反映する

原因となった設計を修正し、歩留まりを大幅に改善

私は電子部品メーカーで、複数の製造工程と半導体関連部品の生産技術に携わりました。半導体前工程そのものを経験していたわけではありません。経験していない工程まで、できるとは説明しませんでした。

別の海外工場では、ローカル社員とプロセス不良を改善し、不良率を100ppmから0ppmへ削減しました。工程が変わっても、現象を分解し、データと現場情報から仮説を作る考え方は共通していました。

面接の中心は、年間約1.2億円を削減した改善だった

主に質問されたのは、当時最も新しかった加工材料の使用量を最適化するプロジェクトです。

  1. 01100種類以上の条件

    暗黙知に依存し、何から改善すべきか分からなかった

  2. 02小さく可視化

    品番ごとの品質指標を一覧にし、現状を共有

  3. 03データをつなぐ

    加工条件、材料の状態、加工履歴を紐づけて分析

  4. 04改善を高速化

    短期間で全条件を最適化し、年間約1.2億円を削減

現場では加工材料の使用量管理が暗黙知に依存していました。少量多品種で、品番ごとに100種類以上の条件があり、何から手を付けるべきか分からない状態でした。

最初に品番ごとの加工状態を示す品質指標をダッシュボード化しました。さらに、主要な加工条件、材料の状態、加工履歴を紐づけ、同じ画面から分析まで進められるようにしたことで、改善サイクルが速くなりました。

「何を見える化するか」に、プロセス知識を使った

データを集めるだけでは、現場の改善にはつながりません。

指示どおりのシステムを作ったのではなく、自分で課題を見つけ、プロセスエンジニアとしての判断を仕組みに組み込みました。

面接で説明した、自分の役割

公式求人でも、半導体のプロセス分析・改善で、ビッグデータ分析、実験設計、歩留まり・性能向上を組み合わせる例があります。品質領域でも、工程・設備データの監視、統計的工程管理、予測分析、機械学習、データサイエンスを使う職務が公開されています。

小さな可視化を、合意形成に使った

一人でコードを書くだけでは、現場で使われる仕組みにはなりませんでした。

ITインフラを整える

システムを動かす基盤について協力を依頼

QUALITY品質限界を決める

品質を維持しながら、条件をどこまで最適化できるか検討

MANAGEMENT効果を示す

上位者へプロジェクトの必要性と期待効果を説明

最初から大規模な完成形を提案したのではありません。まず小さく見える化し、同じ画面を見ながら現状、必要性、取り組みの優位性を説明しました。

抽象的な提案よりも共通認識を作りやすく、関係部署から協力を得て、プロジェクトを速く進められました。

面接では、成果額より再現できる進め方を聞かれた

年間約1.2億円という結果だけでなく、課題から成果までの過程を確認されました。

ROLEどんな役割か
WHYなぜ始めたか
IDEA何を工夫したか
DIFFICULTY何が難しかったか

私は、単なる見える化ではないことを説明しました。現場の課題を自分で見つけ、関係部署を巻き込み、プロセスエンジニアとしての判断をITの仕組みに組み込んだことが、自分の経験から出せる価値だと伝えました。

採用側が各要素をどの程度評価したかは分かりません。ただ、求人票にあったPython、データ分析、AI・機械学習、製造プロセス、英語という要件に、自分の実務経験が重なっていました。

本だけでは、自分の経験の生かし方は分からなかった

書籍は業界理解の入口になりましたが、自分と求人の接点は別の方法で確かめました。

自分の経験がどう生きるかは、生の求人票、エージェントとの会話、面接での反応から解像度を上げるしかないと思います。

転職活動を振り返って感じたこと
  1. 01求人票を読む

    実際に募集されている要件を確認

  2. 02提案を受ける

    エージェントから、候補になる求人と理由を聞く

  3. 03経験を照合する

    一致、近い、未経験の三つに分ける

  4. 04反応を得る

    面接の質問とフィードバックから、経験の見え方を知る

本やネット記事だけで、自分がどの求人に合うかを判断するのは難しいと感じました。最初から可能性を正確に判断するのではなく、公開求人と転職市場からの反応を使い、少しずつ解像度を上げる方が現実的でした。

まず求人票を1件、三つに分ける

興味のある半導体求人を一つ選び、自分の経験との距離を確認します。

求人要件との距離次に行うこと
一致する最も新しい改善実績を、課題・役割・工夫・結果で説明する
近い製品名ではなく、改善の進め方や使ったスキルへ置き換える
未経験できるとは書かず、学ぶ内容と順番を決める

求人ごとに、工程経験、専攻、勤務形態、英語、データ技術などの要件を確認してください。自分だけで判断しにくい要件は、応募前に転職エージェントや採用窓口へ実際の使用場面を確認します。